2021 年 37 巻 3 号 p. 64-69
【目的】ストーマ状況は変化するため、装具選択の再評価が必要である。今回術後3ヵ月間のストーマ状況の変化を明らかにし、変化に応じた装具選択の重要観察項目について検討した。
【方法】2017年4月から2年間、術後2ヵ月以上観察した消化管ストーマ症例を対象に、ストーマ・フィジカルアセスメントツール(以下SPAツール)の観察項目で、術後3ヵ月間のストーマ状況と装具変更の有無を調査した。
【結果】対象症例は63例(内44例は3ヵ月まで)。術後1ヵ月はストーマサイズ横径が減少し、腹壁の硬度、皮膚の平坦度、便の性状に変化がみられた。2ヵ月はストーマサイズ縦・横径が減少し、その後の変化は緩やかであった。3ヵ月ではストーマ高さが有意に減少した。装具変更率は、術後1ヵ月9.5%、2ヵ月11.1%、3ヵ月2.3%であった。
【結語】ストーマ状況の変化に応じた装具選択をするために、術後の継続的なストーマ状況の評価が必要である。重要観察項目は、術直後は全項目、1ヵ月はストーマサイズ、腹壁の硬度、皮膚の平坦度、便の性状、2ヵ月以降はストーマサイズであった。