日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
特集 「ストーマ装具選択基準」標準化への挑戦
【実践報告】術後ストーマ状況の変化に対応する装具選択の検討
山田 陽子三好 綾子秋山 泰樹永田 淳平田 敬冶
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2021 年 37 巻 3 号 p. 64-69

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抄録

【目的】ストーマ状況は変化するため、装具選択の再評価が必要である。今回術後3ヵ月間のストーマ状況の変化を明らかにし、変化に応じた装具選択の重要観察項目について検討した。

【方法】2017年4月から2年間、術後2ヵ月以上観察した消化管ストーマ症例を対象に、ストーマ・フィジカルアセスメントツール(以下SPAツール)の観察項目で、術後3ヵ月間のストーマ状況と装具変更の有無を調査した。

【結果】対象症例は63例(内44例は3ヵ月まで)。術後1ヵ月はストーマサイズ横径が減少し、腹壁の硬度、皮膚の平坦度、便の性状に変化がみられた。2ヵ月はストーマサイズ縦・横径が減少し、その後の変化は緩やかであった。3ヵ月ではストーマ高さが有意に減少した。装具変更率は、術後1ヵ月9.5%、2ヵ月11.1%、3ヵ月2.3%であった。

【結語】ストーマ状況の変化に応じた装具選択をするために、術後の継続的なストーマ状況の評価が必要である。重要観察項目は、術直後は全項目、1ヵ月はストーマサイズ、腹壁の硬度、皮膚の平坦度、便の性状、2ヵ月以降はストーマサイズであった。

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