抄録
【目的】ストーマ閉鎖術後に受けたバイオフィードバック療法(以下、BF)によって低位前方切除後症候群(以下、LARS)患者が抱く日常生活に対する思い(以下、「思い」)について明らかにする。
【方法】直腸癌に対する肛門温存術の際に造設された一時的ストーマの閉鎖術を受けた患者5名を対象に、術後に生じたLARS症状に対して月に1回、3ヵ月間BFを実施した。BF前後に、半構成的面接によって「思い」などのデータ収集を行い、肛門括約筋機能は肛門内圧で、LARS症状はLARSスコアで、生活の質はmFIQLで評価した。
【結果】「思い」では、排便、運動、他者との関係、更衣、外出、食事、睡眠に分類され、「BFにより可視化された筋収縮によって生じた思い」などが生成された。BF後の肛門括約筋機能、LARSスコア、mFIQLに一定の傾向はみられなかった。
【結論】BFがもたらす視覚化は、肛門括約筋の収縮状況への気付きだけではなく、行動変容のきっかけや自己効力感を高めることが示唆された。