日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
原著
二分脊椎症における経肛門的洗腸療法の導入実態および長期成績と手技の自立について
岩井 潤齋藤 武中江 絵美鈴木 香織
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2025 年 41 巻 2 号 p. 76-89

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抄録
【目的】二分脊椎症に対する経肛門的洗腸療法(TAI)の導入実態、長期成績、手技自立達成度を明らかにする。
【方法】1988年10月~2021年12月に二分脊椎症にて当科を受診した患者を対象に、カルテ記載情報を用いて、TAIの導入実態、長期成績、手技自立達成度を後方視的に検討した。また、排便障害症状をneurogenic bowel dysfunction(NBD)スコア(最善:0点~最悪:47点)で、患者満足度をVisual Analogue Scale(VAS、最悪:0点~最善:10点)で評価し、TAI導入前後で比較検討した。
【結果】解析対象は313例で、年齢中央値15歳(範囲:0~45歳)、男性146例(46.6%)であった。TAIを導入されたのは124例(39.6%)で、そのうち本検討時点でTAIを継続していたのは115例(92.7%)であった。TAI導入年齢は5歳が22例と最も多く、また5歳以下での導入割合は年代とともに増加し、2010年以降は37.8%を占めた。TAI継続年数中央値は7年(0~21年)で、5年以上の長期継続例が67%を占めた。洗腸手技の自立は、13歳以降の83.3%で達成していた。またTAI施行前後で、NBDスコア中央値は17点から7点と有意に改善し(p=0.00006、n=21)、VAS中央値も1点から9点と有意に改善した(p=0.0001、n=19)。
【結論】TAIは、保存的治療が困難な二分脊椎症に対して有用で、長期に継続が可能な排便管理方法である。
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