【目的】当院ではストーマケアに習熟した看護師を育成するため、2018年から希望者に専門的教育を行う院内認定看護師制度を開始し、認定された看護師が2019年から臨床現場で活動を開始した。本研究の目的は、本制度導入による院内認定看護師育成状況とその効果を検討することである。
【方法】研究Ⅰ:2019~2022年の院内認定看護師育成状況を検討する。研究Ⅱ:本制度導入による効果の評価対象は2018~2022年の間に当院でストーマを造設した患者である。院内認定看護師臨床活動開始前の2018年を対象として、活動開始後の2019~2022年の各年との間で、術前ストーマサイトマーキング実施率と術後在院日数を後方視的に比較検討した。
【結果】研究Ⅰ:院内認定看護師7人が育成され、認定合格率100%であった。研究Ⅱ:対象患者は384人で、年齢中央値68歳、男性194人(50.5%)であった。ストーマサイトマーキング実施率は、2018年の75.4%から臨床導入2年後の2020年には89.7%と有意に改善した(
p =0.02)。術後在院日数中央値も、2018年の28日から2020年には20.5日と有意に短縮した(
p =0.02)。いずれの改善・短縮も、その後2022年まで継続していた。
【結論】本制度によるストーマサイトマーキング実施率上昇および術後在院日数短縮への有用性が示唆された。
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