抄録
本論文では、リフレクション活動のための調理行動記録・表示システム「metacooker」を提案し、調理行動に対する初心者の気づきによる意識的な学びを支援できたかどうか評価する。近年、核家族化や食の外部化により、家庭での調理技能は衰退しつつある。一方、情報技術の進歩により、調理手順を最適化し調理を支援する研究がある。しかしそれは利便性の追求し、学習の観点を欠いている。調理熟達化には、調理行動に対する「気づきによるによる意識的な学び」を支援する必要がある。これは、メタ認知的活動と呼ばれ熟達化の重要な要因とされている。調理は複合的なタスクが絡み合っているため、初心者が調理中にこの活動を行うのは困難である。したがって、調理後にメタ認知的活動を行うこと(リフレクション)が重要となる。そこで、初心者のリフレクション活動のための調理記録・表示システムを提案し、開発したシステムで調理記録を時間と作業場所の軸に沿って表示しリフレクションした場合と、一列に羅列しリフレクションした場合で、気づきに対する効果を比較評価した。結果、本システムが並列した調理作業に対する気づきを促すことに有効であることがわかった。