日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第52回研究発表大会
会議情報

ストリートアメニティ形成のための街路景観エレメントのあり方に関する研究-7-
構成要素と街路景観の快適牲に関わる公共沿道空間のあり方について
*千代田 憲子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 25

詳細
抄録

 構成要素に関するまとめと街路景観の快適性と環境特性および感性的属性との関係から,公共沿道空間のあり方に関する考察の結果,連続型と分節型の公共沿道空間が混在しながら連続し,民地との連動や街路景観エレメントの充実と快適行動を引き出すコトが加わることで街路景観の快適性が形成され,さらに今後は都市環境のモラルの育成も重要になるという,構成要素の仕組みと関連性を提示した。そして,街路景観の快適性の構成を成立させる4点である「部分と全体の階層的関係による秩序性」「中間領域の有効性」「要素間の関係性と連続性」「行動と快適性の循環」から,公共沿道空間は,中間領域の持つ有効性を活かして,行動と快適性の循環による蓄積の受け皿として存在する。また,街路景観の快適性には部分と全体の関連性が深くかかわるが,階層的関係による秩序性が成立したうえで,ディテールからの発信や影響力が有効となる。加えて, 各要素は関係性をもって存在していることから効果が高まる,という考え方を導いた。そして,街路景観の快適性は,人と場と要素との関係性を巻き込みながらスパイラルに成長する,という快適性と関係性の構造を示すことができた。

著者関連情報
© 2005 日本デザイン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top