日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第53回研究発表大会
セッションID: A01
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二つのデザイン
-デザイン科学の統合フレームワーク構築に向けて-
*松岡 由幸
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抄録

従来,デザイン学研究は対象に依存したデザイン方法や技術の研究が主流であり,デザイン対象に依存しない一般性を有するデザイン理論や方法論に関する研究はいまだ少ない.吉川らの一般設計学はその基盤をなすものであるが,デザイン学研究の体系化のためには,これにつづくさらなる研究が不可欠となる.本報では,今後のデザイン学研究の体系化の一助とすべく,まず,インダストリアルデザインとエンジニアリングデザインの特徴に関して,歴史,デザイン対象,利用する知識と推論,およびデザイン過程の観点から比較を行った.つぎに,これら二つのデザインの双方において,上流過程では「創発デザイン」が,下流過程では「最適デザイン」が行われることを示し,両者の相違点について述べた.最後に,二つのデザインの比較結果をもとに,両者を包含した階層型デザインモデルを提示し,同モデルに基づく二つのデザインの比較を行うとともに,デザイン科学研究の統合フレームワークとしての活用の可能性を示唆した.

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© 2006 日本デザイン学会
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