日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第53回研究発表大会
セッションID: A02
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形のマクロ情報「複雑さ」とデザイン
*氏家 良樹松岡 由幸
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抄録

工業製品のスタイリングに幅広く活用されている曲線形状のデザインにおいては,全体の特徴を巨視的に認知しようとするヒトの認知特性から,曲線形状のマクロ情報の把握と操作が重要となる.しかし,CADをはじめとする現行の設計支援システムにおいては,寸法や曲率など,曲線形状のミクロな特徴を表現する形状情報の提示が主流であり,マクロ情報の把握はデザイナや設計者にその多くを依存している.さらに,マクロ情報を操作するための具体的な方法が存在しないため,意図したマクロ情報を有する曲線形状を作成するために,デザイナや設計者は試行錯誤を繰り返す必要がある.そのため,曲線デザインにおいては,マクロ情報を定量的に表現する方法と,マクロ情報を操作する具体的な支援方法が望まれている.本報では,まず,工業デザインと工学設計を統括する階層型デザインモデルの観点から,形のマクロ情報研究における指針を示した.つぎに,曲率積分と多重解像度表現を用いたマクロ情報「複雑さ」の定量化法と,遺伝的アルゴリズムを用いたその曲線形状生成への応用について述べ,曲線デザインにおける新しい支援方法の可能性を示した.

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© 2006 日本デザイン学会
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