抄録
創造性という観点からデザインにおける思考過程の特徴が何であるかを求めるために、概念間の関係に着目し、デザイン創造実験を行った。実験課題は概念融合によるデザインコンセプトの創出である。デザインプロセス中に概念をどのように結びつけて探索しているか、発話思考法とインタヴューによるプロトコル分析を行う。3人の被験者から15のデザイン案が得られ、創造性評価の結果、そのうち9つのデザイン案が創造的なデザインであると判定された。これらについてその思考プロセスを概念間の距離に着目して分析し、つぎにそのプロセスにおける概念間の関係が分類学的関連によるのか、主題的関連によるのかを調べた。さらに、概念間距離から思考空間の拡張度を算出し、創造性の高さと評価結果との相関をみると、明らかに正の相関が見られた。結果から、創造性の高いデザインプロセスの特徴は、概念と概念を主題的に結びつけながら探索を行い、そのため思考空間が有意に広がっていることが分かった。この概念間の主題的関連の際、動作や環境を表す言葉が頻繁に現れることから、概念の連想についてさらに調べていきたい。