抄録
現在の電子機器は、操作が複雑になっており、理解が困難になってきている。メーカはインタフェースの面から、操作方法をユーザに分かりやすく伝える努力をしているが、それだけでは足りないと考えられる。そこで、本研究では教育心理学の分野で、ユーザの不安を軽減することで学習効率が上がると報告されている点に着目し、電子機器においてもこの事が言えるのかを明らかにしていく。これを明らかにするために、本研究では20代男女の被験者に、全員がまだ操作方法を知らない電子機器で課題を行わせ、その結果を高不安者・低不安者間で、各課題の処理時間・課題中の操作内容などの面から比較した。その結果、電子機器の操作方法においても、不安が高くなるに従って課題の処理時間が遅くなる正の相関が得られ、低不安者は高不安者よりも課題を処理する時間が早くなることが分かった。しかし、その原因は本研究からは明らかに出来なかった。また、今回の実験から、学習の初期段階での不安の範囲よって、その後の学習過程が固有の変化を見せることが分かった。