抄録
曲線設計においては、全体の特徴を巨視的に認知しようとする人の認知特性から、曲線形状の巨視的特徴の把握と操作が重要となる。そのため、曲線設計において、巨視的特徴を定量的に表現する方法と、巨視的特徴を操作することが可能な具体的な設計支援方法が望まれている。過去の研究においては、曲線設計において重要とされる巨視的形状特徴「複雑さ」の定量的表現法として、曲率積分を用いた方法が構築された。また、「複雑さ」の表現法を用いた形状生成方法として、曲率積分を用いた遺伝的アルゴリズムによる方法が構築された。本研究では、まず、自動車サイドビュー輪郭形状を用いた認知実験を行い、製品形状における曲率積分と「複雑さ」の関係解析を行った。つぎに、曲率積分とカースタイリングの変遷との関係解析を行い、曲率積分のデザイン解析への応用可能性について検証した。最後に、慶應先端デザインスクールにおいて、曲率積分を用いた遺伝的アルゴリズムによる形状生成方法を車椅子利用者向けビークルのデザインへ事例適用し、「複雑さ」の表現法の曲線設計への応用可能性について検証した。