抄録
本研究はロボットの新しい用途開発を目指し,メディアとしてのロボットの可能性を考察した.すなわち,ロボットをメディア論の視点からとらえ,メディアとしてのロボットの構造と性質を明らかにした.まず,ロボットとメディアを調査し,要素を抽出して情報処理の構造モデルを作成した.そして,ロボットの情報処理には上層と下層があり,上層のみを用いることで既存メディアと比較できることを指摘した.さらに、メディアとしての情報処理の構造には,1つの情報処理過程から成り立つ「単機能型」と複数の情報処理過程を持つ「複合型」の2つのタイプがあること,そのうち複合型は既存のメディアをコンテンツとして取り込んだものであることを明らかにした.また,構造モデルと精度と参与度の関係から,メディアとしてのロボットの性質は「低精度で参与度が高いメディア」と規定できた.