抄録
本研究は現在の携帯音楽プレーヤの主役となったデジタルオーディオプレーヤを対象に、個々の製品によって異なる形状認識上の立脚点を明らかにすると同時に、類似に基づく照合行為の際の基準を明らかにすることを目的としている。まず、認知部位による類似度を判断するため、一対比較によるアンケート調査を行った。ここでは、形の差異でどこに注目しているのかを探るため、被験者としては一般学生5名とデザインを専攻している学生4名を選出し、MDA-ORを行った。解析の結果、一般学生は5グループ、デザイン専攻学生は4グループで構成されていた。しかし、各グループには内容が共通するものもみられたため、共通するものを整理した結果、形状認識の特徴を「明確な特徴」「形の構成」「ディティール」の3つのグループにわけることができた。このことより、ユーザの特徴把握の構造には判定の手がかりとなる形態の特徴がわかりやすいほど、ユーザは表層的な識別だけに留まり、特徴が複雑になるほど、形に関する知識レベルでの構造的な識別を行っていることが明らかになった。