抄録
ユーザーは、製品を購入する時に、スペック、価格など様々な評価をおこなっているが、近年ではこの中にデザインという項目が存在する。そこで、デザインに関するユーザーの評価をとりあげ、自己組織化特徴マップによる分析をおこなったところ、デザインによって、ユーザーの製品に対する評価を変えることが可能であるということが明らかになった。次に、デザインによって、製品に対するユーザーの評価がどの程度変化するかを示すための方法を導いた。より多くのユーザーに製品を受け入れてもらうには、ユーザーの意図をくむことと、他の競争相手のデザイン戦略を読むという二つの作業を同時におこなう必要がある。そこで、この二つを同時に考えられるゲーム理論に基づいてデザイン戦略決定の方法を考察した。しかし、評価する要素や、競争相手が増えてくると、計算が大変困難になるため、ゲーム理論の考え方にそって、ユーザーが複数の製品の中から一つの製品を選択するまでの過程をシミュレーションできるシステムを作成した。このシミュレーションをおこなうことで、自らがデザイン戦略を変えたときや、相手が戦略を変えたときなどに、デザイナーがどのくらいユーザーの意図をくむことができ、受け入れられるのかが、シミュレーションの中で、数値として表すことができた。以上から、デザイン戦略によるユーザーへの影響度の変化を提示することで、デザイン戦略を決定するための支援方法を導いた。