抄録
本研究は,利用する情報媒体の違いにより,形成される企業イメージに違いがあるかどうかを検討したものである。大学生112名を対象として,携帯電話キャリア3社について,利用する情報媒体,評価用語を用いたイメージ評価,キャリア名から想起される事柄からみたイメージ評価について,アンケート調査を行った。その結果,利用する情報媒体の特徴から消費者はいくつかのグループに分類できることがわかった。また,グループごとにイメージ評価の結果を比較すると,評価用語を用いたイメージ評価ではあまり大きな違いはみられなかったが,想起される事柄からみたイメージ評価では違いがみられた。以上のことから,消費者は想起される事柄とは別に,既に共通する企業イメージを形成しており,そのイメージを通して様々な情報媒体から情報を得ていると考えられることがわかった。