日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第53回研究発表大会
セッションID: A17
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デザイン教育における発散的思考と創造性の可能性
*田中 隆充
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抄録

本研究は、デザインプロセスの上流における発散的思考過程の支援方法に関する研究であり、従来経験的に用いられていた否定表現的な発想支援を、一般設計学における知見を基礎とし、言語学における否定表現研究などの成果をふまえて理論的に据え直した研究である。デザインプロセスの中に要求概念に対応するユーティリティーおよび実態概念に対応するコンフィグレーションという中位の抽象度を持つ概念を新たに規定し、これに否定表現を与えることにより既成概念を適度の逸脱した探索空間を与えうることを考えた。本研究では、美術専攻の学生を対象としたデザイン教育において、「タマゴのパッケージをデザインしなさい」という課題を、タマゴのパッケージの既成概念を言語的概念表現レベルで否定表現化し、発散的思考の効果が得られるか事例を通して探索する。また、デザイン専攻を希望する学生以外も含まれており、必ずしもデザイナーになるとは限らないいわば非職能レベルを対象者に発散的思考が示されるかを考察する。

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© 2006 日本デザイン学会
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