抄録
現代では、様々な形の椅子が存在し、素材もいろいろな物で作られている。しかし、その多くが座面などを含めた形状が固定されているものであり、また変形できたとしても、背もたれの角度を変えるといった簡単な変形しかできない椅子である。そのリクライニング機能を持つ椅子でさえも、身体に触れる部分の素材は同じままの変形である。 よって、一つの椅子を変形させることにより、人の動作によって変わる姿勢を効果的に実現させ、またその着座姿勢に適している素材を有する座面へ着座できないであろうかと考え、その着座スタイルの開発を目指す。その方法としては、人が着座するのに最も適した座面高、座面角度、座面の素材を実験により導きだすことを行う。またどのような姿勢で着座するかやその椅子の変形法を考えだし、実験の結果をもとにして、最終的なモデルの製作を行った。