抄録
本研究は、展示会計画について今日的かつ歴史的観点で総点検し、実態に合った計画、設計方法を探るものである。展示会は送り手と受け手のコミュニケーションを主な目的であっても、産業どうしの交流や出品者間のコミュニケーションの効果がますます重要になっている。つまり大きな意味での「コミュニケーション」を行なうに相応しい環境づくりをいかに進めるかが展示会計画の重要なポイントになってきている。展示会計画およびデザインは2つの立場がある。1つは出展者による出品展示計画であり、もう1つは主催者が行なう。会場全体をコントロールするための計画・デザインである。ここでは、主として後者の計画・デザインに注目する。実例としては、日本の展示会を代表としての地位を確立している東京モーターショー(以下TMS)の計画設計の方法論を取り上げる。その中でも今回は、TMSのゲートがどのように計画され、どのような機能として取り組んでいるか、その実態を捉えて報告する。