抄録
人は「見立て」と呼ばれる柔軟な認知能力によって、人工物に対してインターラクティブな関係を構築し、あたかも人格があるように見なすことが可能である。それには親近感が必要である。前稿〔注1〕では、人に親近感を与え、見立てを促すシステムの構築に寄与する「人格化パターン」を明らかにした。その成果をもとに本稿では、前稿で得た人格化パターンを用い、2種の「Personoid Robot」を制作した。ひとつは人とライバル関係を築くライバルロボットである。もうひとつは観葉植物のような存在感をもつ気配ロボットである。これらを用いて人格化パターンの有効性を検証した。