抄録
情報化社会の発展で日常のコミュニケーションに電子メールやSNSなどが利用されることが多くなった。近年こうした書き言葉のコミュニケーションで顔文字が使用されている。顔文字は成立した時から身振りや手振り、イントネーションなどのパラ言語を表現したものであることがその歴史からも理解される。また顔文字を使った文章の構成を調べてみると、顔文字は書き言葉による文章に挿入され、ある特定の文章の範囲にパラ言語情報を付与する働きがある。こうした顔文字の働きを電子的なライティング・スペースに適合させる方法を見出すことで、バーチャルコミュニティでのコミュニケーションを、より円滑にできるのではないだろうか。