抄録
大規模集合住宅における住民の対話と相互交流が重要視されている。その対話を目的とした情報システムのデザイン開発を行った。システムは、住民グループメンバーが自分たちの活動を「記録し」「表現し」そしてそれを住民全体に「開示する」支援機能をもつ。
本稿では、この活動支援システムのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)デザイン、そのシステムを利活用する住民グループの活動、そしてGUI造形の論拠となるコミュニケーション(学習)理論を報告する。われわれのデザインのポイントは、住民の対話の場において、頁をめくらなくても内容を把握できる、提示的なコンテンツのレイアウトの提案である。
すなわち、活動が表現されること(活動の可視化)、複数の活動表現が住民全体に実時間で開示されていること、その開示された表現をとおして、その時行われている活動に参加できること、というコンセプトがそれを支えている。