抄録
人への伝達手段は様々あるが、それらは主に視覚・聴覚・触覚等に訴えることを前提としてきた。しかし、これからの高齢者・障害者・健常者が共に生活できるユニバーサルな社会ではこれらの感覚にのみ訴えるだけでは限界があると思われる。本研究は五感の中の「臭覚」に注目し、何かを伝達、又は知らせる事を目的としたユニバーサルデザイン(以下;UD)製品やUD空間=高齢者施設や各種展示会場等に於いて、その目的に相応しい『香り』を発香することにより、目的をより効果的に円滑に行う事が可能かどうか、又その際の認知度、認識度、更には集中度等を様々なUD製品や空間をサンプルとしてアンケート調査を行い研究する。今回は平成16、17年の2回のエキジビジョン会場に於ける展示空間での調査研究報告である。展示ブース内に幾つかの「香り」を時間を変えて発香し、その効果をアンケート調査した。その結果、人に心地よいとされる「香り」を発香する事は展示空間そのものの印象を良くし、展示効果を上げる可能性がある事が分った。と同時に「見てもらう」「伝える」「知らせる」事に『香り=嗅覚に訴える事』は有効な手だての一つになると推測出来た。