抄録
感性は記述可能な知識と暗黙的な知識の間を取り持つ情報の変換作用である.人間の情報伝達において,我々は意識されない知識処理と知識表現を行うことによって,自然で,なめらかでかつ直観的な理解を得ることができる.こうした人間による交流と感情の関係を明らかにするために,行動およびコミュニケーションにおける自己評価を対象にして検討を行った.本報告では,2つのコミュニケーション実験によって得られた結果から,直観的な情報伝達と情報表現には次の2要素の関係が深いことを確認した.1) 感情の種類による時間的な発生と感じ方の特性と,表現における時間特性の関連性が高い.2)文化的または経験的な特性(感性)が情報表現の伝わりやすさに対する関連が深い.