抄録
ワークショップは,企業や地域コミュニティなどの体験型の講座として用いられる.ユーザインタフェース(UI)デザインでは人と人工物との関わりを扱うため,人の活動の場における発見的探索が不可欠である.この学びのかたちのひとつとして,ワークショップはふさわしいと考える.
本研究は,1)Found Behavior(FB)手法を体験型UIデザイン学習交流に適用するためのプログラムの作成,2)ワークショップの実施と検証を目的とする.
優れたUIデザインとは,その過程において日常生活における対話経験を多く参照したものである. FB手法とは,この考えに基づき,人のふるまい観察に主眼を置いたUIデザインの方法である.
ここでは,観察を次の2つに分ける.1)状況の観察(活動の場における人の工夫の発見):文脈におけるデザインで一般に用いられる現場の観察 2)人のふるまい観察(ついついしてしまう人の習性の発見):デザイナーの引き出しとも呼べる対話経験の参照を促す観察
FB手法を用いたワークショップは,即効的ではないが,UIデザイン発想の根拠を明示的に説明できるようになったという点で一定の効果があったと思われる.