地域活性化策の一つに「地域ブランド」がある。地域ブランドとは、地域に存在する資源を生かした産業と地域自体のイメージを一体化させ、それをブランドとする取組みである。本稿では地域ブランドの成功事例として高知県安芸郡馬路村の柚子加工品を挙げ、同村のブランド戦略の特性を明らかにすることを目的とし、他地域ブランドとの比較・分析を行った。その結果、馬路村ブランドの最大の特性は、主体となる農協が自治体と密接に連携していることだと示された。多くの地域ブランド事例において自治体は、ブランドを運制する主体に対して補助を行っているが、それらは一部商品の販売を請け負うものがほとんどで、馬路村ブランドのように主体となる団体と自治体とがほぼ全ての営業活動を共に行う事例は見られなかった。