抄録
人々の肉体的・精神的健康を促進する上で、適切な薬剤服用環境を提供することは重要である。 しかし薬剤服用の場面においては、必ずしも利用者の分かりやすさ、扱いやすさ等に十分配慮した状況とはなっていない部分があり、結果として薬剤の服用忘れや服用間違いなどの各種トラブルが発生している。薬剤服用におけるトラブルの発生には、薬剤そのものの情報や薬剤の服用指示に関する情報など、各種情報表示に対する利用者の理解度が大きく関わっているものと推測される。そこで本研究では、薬剤服用にまつわる情報表示について、利用者の情報理解度と服用トラブルの発生度の関係について調査を行い、現状の薬剤服用環境における利用者の行動傾向について考察を行った。 アンケート調査を実施し、集計結果に対してk-means法によるクラスター分析を行った。その結果、薬剤服用における利用者の行動傾向について特徴的な5種類のグループがあらわれた。さらに、薬剤服用の場面での失敗発生についても、情報への関心の低さから発生する失敗や、情報の理解不足から発生する失敗など複数のプロセスが存在することが確認できた。