日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第59回研究発表大会
セッションID: 1-13
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日本の環境デザイン美学に見る風土の影響
日本のデザイン美学序説-1
黒川 威人
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抄録

本研究の目的は日本固有のデザイン美学を明らかにする事である。本稿ではこれまで看過されてきた日本のデザイン美学の意義に触れ、先ず、日本の気候風土および伝統文化と密接な関わりを持つ環境デザイン美学について考究する。 日本には環境デザイナーはいたが建築家はいなかったという見方がある。日本では建築とそれを取り巻く造園、室内意匠が総合芸術と考えられていたからである。そうした考え方を育てたのは千年にわたって都であった京都の恵まれた自然、すなわち雨や雪が降る美しい環境が大きく影響している。その自然環境はあらゆる美術分野のデザインにとって主要なモチーフであったが、和歌等の文芸文化もまたそうした背景のもと生まれたのである。

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© 2012 日本デザイン学会
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