本研究では、ドキュメンテーションに関する視点やスキルの異なる複数のスクライバーに、ひとつのパネルセッションについて同時にスクライビングをおこなってもらい、その結果として制作された各スクライバーの表現を比較する事で、ドキュメントウォールの制作に必要とされるスキルについての考察を行った。結果として、スクライビングの表現には、発話の内容をどのように残すかということばの編集と、ドキュメントウォールなどの紙面に情報をどう図解するかというグラフィック表現の、二つのスキルの組み合わせによって制作される。表現のバリエーションは無限にあり、スクライバーがドキュメントウォール活用の目的を設定して、表現に臨む必要がある事が再確認された。