抄録
我が国は世界一の高齢化社会といえ、労働力人口が一層減少する。そこで近年、人間に変わる労働力としてロボットの導入が期待されている。現在のロボットハンドはヒトの外観を模すことに主眼が置かれたものが多い。例えば指の各関節に回転軸を設けて駆動させることで屈曲や伸展を再現するといった、機械工学的なシステムである。しかしそれではヒトと同じような運動能力を再現することは難しい。将来的には介護ロボットのような、より人間とロボットが密接に関わる時代になると考えられる。その際には、人間に触れるロボットハンドには、より人間に近い能力が求められる。本研究の目的は、人間の手の構造を調査、筋骨格モデルの再現により手の機能を理解する。そして新たなロボットハンドをプロダクトデザインの視点からのデザイン研究を行う。本研究の流れは、人間の構造を理解するために書籍などによる基本構造の調査、そして医療用画像データとラピッドプロトタイピング手法を用い、人間の手の構造モデルの作製。三次元的に手の構造を理解し、仮説の立案を行う。そこから得られた情報をもとに、ロボットハンドのデザインを進めていく。