抄録
本研究の目的は、調理中の自然な「行為」による情報操作の可能性について考察することである。本稿で扱う「調理」は、見えているものを見えないものとの関係の中で食材を変質させていく場であり、行為と物と情報が複雑に絡み合う、生活のなかで最もクリエイティブな場である。これまでにも数多くの研究が行われており、調理中に操作できるインターフェースの開発や、塩味センサによる味を伝える方法の研究などがある。 本研究では、行為と情報の関係性を探るため、調理における「行為」とそれに伴う「思考」や、食材、道具の扱われかたを観察し、調理を構造化する方法を探る。構造化された情報から、調理中の自然な行為と道具の関係を見出し、表示された情報を変化させることが可能であるかを確かめるプロトタイプを制作する。