近年,地域社会において住民参加のワークショップを取り入れたまちづくりが重要視されるようになってきた.様々な課題を抱える地方都市で住民が住みやすい街にしていくためには,住民自身が解決に導く活動に積極的に参加することが必要である.今後,地方都市で住民の生活移動の要求を満たすためには,臨機応変に住民の移動に対応できる交通機関の新しい仕組みが求められる.本研究は,参加型デザイン手法を用いて新しい交通システムのデザインを提案することを目的とした.フィールドは函館市西部地区とする.現状調査で西部地区住民の生活と交通の関わりを理解するために,日記法を実施した.調査結果から,現状の各々の移動手段に対して不満を感じている現状が明らかになった.ここで抽出した要求事項について住民と議論の場を設け,住民の抱える問題を明確化する.そして問題を解決するデザイン提案についても開発段階で住民に評価してもらう.本研究により,情報システムによってサポートされる地方都市の新しい交通のモデルを定時することができると考える.また,本研究で実施する参加型デザイン手法の有用性も検証したい.