抄録
今日のデジタル・メディア環境の中で動的表現による新しいコミュニケーション形態は、既存の情報伝達能力に音声や動きなどの時間と空間という要素を取り入れることで、単に動きを持つ、または単に要素の意味を集めた総合的意味だけでなく、五感を通した情報認識、情報知覚へ移行し、人々の感性に近づいていく。さらに動的表現の一種類である動的タイポグラフィは記号や意味ある単語や文章などの「文字」をモーショングの要素として時間と空間の中で導入させ、諸要素と供に複合的に取り入れることで口調、語調、抑揚を表現し、言語的特性を持っている。本研究では動的表現の一つである動的タイポグラフィ(Kinetic Typography)を研究対象とし、一つ目として動きによる感性の差が起こりうるか、二つ目として音楽による感性の差が起こりうるかという2つの観点から検証を行った。感性評価では、AVSMの応用6因子を採用し、因子レベルでの尺度得点に基づき、検討した。