抄録
本研究は、地域コミュニティ特有の状況や課題を踏まえ、地域の魅力向上と物産振興を図るために、全国の自治体や商工会等が今後新たに地域ブランドの認定要綱を作成する際に参考となるような食の地域ブランド認定要件を明らかにすることと、それを通じてデザイナーが地域ブランド創生活動に係る際の役割を提示することを目的としたものである。
まず、沖縄を除く九州7県のうち9市のホームページ等から地域ブランド認定要綱を抽出することができ、その中から食の地域ブランド認定要件(仮説)を内容分析により抽出した。次に、その仮説の有効性を検証するために、今後地域ブランドづくりを行う地域団体の関係者に対してインタビュー調査を行った。その結果、仮説については特段意見がなく有効性を確認できたが、地域ブランド創生に係る自治体や商工会等の担当者の多くは、食や流通等幅広い分野の知識と経験を持ったデザイナーを求めていた。そこからデザイナーには調査(産品ブランド資源/地域イメージ向上資源等)、企画(ネーミング/物語/PR/プロモーション)、デザイン(ロゴ/パッケージ/広告/プロダクト)、評価、制度設計等の役割があることが明らかになった。