メディアリテラシー実践「ローカルの不思議」の情報デザインへの展開の可能性

札幌の地域イメージの交換の例から

抄録

自分たちが住む地域は，他者からどのように見られているのだろうか？ 本研究は，「ローカルの不思議」プロジェクトの一環として2011年度前期におこなった地域間交流の実践をもとに，こうした実践を情報デザインに展開する可能性を検討するものである。今回の実践では，まず，札幌に住む学生が持っている札幌のイメージと，札幌以外の地域に住む学生が持っている札幌のイメージを，一定のルールに従ってイメージマップに書き込み，地域についての自己イメージと他者イメージを比較した。次に，そのイメージの差異を手がかりにして，本当に伝えたい自分たちの地域とは何かを考え，それをテーマとした短い映像を制作し，交換した。この実践で明らかになった地域イメージの差異は，今後，地域におけるデザインを検討するうえで応用することができると考えており，そのための実践を2012年度以降に予定している。