抄録
本研究では、OTC医薬品パッケージデザイン選択時の日本人とアメリカ人の各項目に対する注目度に関して、眼球運動追跡装置を用いて比較した。被験者は日本人26名とアメリカ人26名であった。視覚刺激は、日本のかぜ薬4種類とアメリカのかぜ薬5種類の箱を使用し、日本人には日本のかぜ薬、アメリカ人にはアメリカのかぜ薬を使用した。1回の試行に3種類の外箱がコンピュータ画面上に実物大で呈示され、被験者はその中から最も購入したいと感じた1品を選択した。刺激の呈示から医薬品の選択までの眼球運動を眼球運動計測装置で記録し、「薬品名」、「効能・効果」、「成分」、「使用上の注意」等の外箱記載項目10個に対する視点の停留時間を比較した。その解析結果、日本人はアメリカ人よりも外箱の「薬品名」を長く観察し、アメリカ人は日本人よりも「使用上の注意」を長く観察した。しかし、視覚刺激をアメリカの箱を日本語に翻訳した箱に変えると、日本人は「使用上の注意」を長く観察するようになった。日本とアメリカでは、パッケージデザインにより消費者の行動に違いが生ずることが明らかになった。