2011年3月11日,東日本大震災が発生し,東北地方を中心に甚大な被害をもたらした.災害発生から3年が経過するが,復興作業は今も続いている.筆者は,宮城県の被災地現地にてボランティア活動を行い,復興作業の経験を通して,ボランティア参加者とボランティア非参加者との間にコミュニケーションや情報共有の壁があることを実感した. そこで,スマートフォンのアプリケーション上で,ボランティア非参加者がボランティア参加者とリアルタイムにコミュニケーションをとり,ボランティア非参加者に必要な情報を提供することで情報不足による不安を減らし,ボランティア参加を促すことを目的とした情報共有システムのデザイン開発を行った. 本研究では,被災地におけるボランティア活動とボランティア参加者と非参加希望者のアンケート調査等を行い,ボランティア活動に対するニーズ分析を行った.その後,チャットによるリアルタイムコミュニケーションとボランティア活動内容,活動量を提示するWebサーバーとスマートフォンを用いたプロトタイプを制作し,ボランティア非参加者を想定したシミュレーション実験を行い,操作性と有用性の評価を行った.