日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第62回研究発表大会
セッションID: A6-01
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親子のコミュニケーションが生起する場に関する調査
日本育児文化に基づく触覚感の検討
塚本 千晶佐藤 公信
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抄録

 本稿では、日本の育児文化のなかで親子のコミュニケーションが、どのように培われてきたのか過去の事例に基づいて考察し、育児における親子相互のよりよい関係をつくりだすきっかけとなる事物・行為の相互関連性、及び親子のコミュニケーションの促進に関わる触覚の役割を探るために、ISM法を用いて構造化を試みた。さらに、日常的に子どもが触れる既存の製品に着目し、子どもの発達に与える影響について、数量化Ⅲ類、及びクラスター分析を用いて類型化し特徴を明らかすることを試みた。その結果、触覚は、人とモノだけにとどまらず、人と人とのコミュニケーションの活性化につながる触媒として、重要な役割があり、生活文化の変化に応じて、異なった変化を遂げながらもインターフェースとして親子のよりよい関係形成に寄与すると考えられる。以上のことから、触覚をコミュニケーションの形成要因としてデザインへ適用していくためには、1.素材の特性を活かして行動を促す。2.遊びの行動を促し活動を展開できる場を形成する。3.コミュニケーションを活性化する触媒としての役割を持たせる。の3要因があることが示唆された。

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© 2015 日本デザイン学会
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