抄録
日本の現代社会において、高度経済成長期のような急激な経済成長が見込まれない中、先進国ならではの成長戦略を必用としている。しかし、日々複雑化する社会に直面しながら、私たちはその多層的な社会課題を解決できずにいるだけではなく、社会課題そのものについて正しく認識できない状況にある。そのため、新たな観点に立脚し、課題について多方面から分析する必要がある。この多層的難題の解決手法としてデザインシンキングとデザインシンキング的アプローチが世界的に注目を集めている。この世界的潮流のひとつとして、日本の大学では連続的なイノベーションを生み出すための人材育成に力を注いでいて、デザインシンキングに基づいたイノベーション教育の標準化、体系化を目指している。本研究は、ソーシャルイノベーションとなりうる社会システムの構築におけるデザインシンキング的モデルの構築と体系化を試みようするものである。本稿では、イノベーション創出に有用とされているデザインシンキングをキーワードに、地域での実際の取組みを交えながら、問題解決できる手法について議論を行う。