抄録
L-systemは, 生物の発生過程を記述するモデルとしてA. Lindenmayerにより1968年に提案された計算モデルであるが, 非常にリアルな草木の形態を容易に形成できることから, 今日ではグラフィック・デザインにおいて広く普及している. L-systemは簡易な規則が複雑な形態を作り出すという点において, 典型的な創発デザインのアルゴリズムである. 筆者らは, 既報(2014年春季大会発表など)において, L-systemの形式言語としての側面に注目して, それをパースの記号論に接続する構想を述べたが, 本稿では, それを発展させ, 記号的対象としてL-systemという具体的なアルゴリズム系を設定することで, アルゴリズムによる知識創造の具体的なモデルを考察する.