抄録
マニュアルどおりの単純的なサービスでは,顧客の不満は抱かせないが,顧客の心を惹き付けることはできない。したがってマニュアルどおりの単純なサービスに加え,顧客の心を惹き付けるサービスを提供する必要がある。 おもてなしと呼ばれる日本的なきめ細かいサービスが本来持つ高い品質を維持しながら,サービスの生産性を上げるためには,顧客期待をコントロールできるように構造を把握する必要がある。 本研究では,4つの異なる性質の期待の構成要素に,おもてなしの評価を当てはめて検証する。おもてなし体験前,事前調査を行っていたことから,期待は形成していたと考えられる。そこで顧客満足のはじまりである期待に対して,体験後の評価から,おもてなしの内部構造を探り,期待との関係性を明らかにするものである。 我々が訪れた料亭のおもてなし体験後に抽出された「おもてなしとして推測されたもの」を4つの期待の構成要素に分類した結果,不変的な期待,そして相対的な期待が76%を占めていた(図4)。