日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第62回研究発表大会
セッションID: B9-01
会議情報

写実性制約が絵画創作に与える影響
澁谷 智志木村 健一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本研究では、美術初心者が持つ写実性制約が、絵を創作する行為にどのような影響があるかを実証的に検討する。芸術創作は、表現対象に対して知覚と創作行為を繰り返しながら表現を探索していく活動である。こうした知覚と行為の中での創造性を捉えるならば、知覚対象に対する認知的志向と創作行為には不可分な関係があると考えられる。美術初心者は、絵画に描かれた具体的事物に固執して絵画を見るという「写実性制約」があり、その制約が絵画鑑賞において、多角的に見ることの妨げになることが、指摘されてきた。 本実験では、図柄を配置することで絵を構成する課題について、具象画の図柄を用いた試行と、抽象画の図柄を用いた試行とで実施し、実験参加者のデッサン技能の有無によって、各々の試行の試行錯誤の度合いに違いがあるかを調べた。実験の結果から、デッサン技能の有無は、具象画の操作の試行錯誤の度合いに影響は与えないが、デッサン技能を有することは、抽象画の操作の試行錯誤を促進することがわかった。このことは、美術初心者は写実性制約に沿って解釈できない対象に出会ったとき、創作の試行錯誤が抑制される傾向があることが明らかになった。
著者関連情報
© 2015 日本デザイン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top