抄録
携帯端末には,様々な情報が送られるものの,それらの情報の意味内容を伝えることは困難である。そこで本研究では,動きの刺激によって直感的な情報提示を行うことを試みた。具体的には,手首に巻きつけるタイプの携帯型デバイスを用いて,手首の接触面に18種類の動きの刺激を与えた。そしてその動きの印象を被験者実験によって明らかにすることとした。これらの動きは,つつくような動き,押すような動き,回転するような動きの三つに大別できる。動く回数や回転の大きさ,動きの程度がそれぞれ異なる。これらの動きの印象を14名の被験者に評価してもらい,因子分析法を用いて結果を集約したところ,感情と緊急性の2つの因子によって,これらの18種類の動き刺激を説明できることが判明した。また動き刺激の相対的な位置関係から,それぞれの動きの特徴が明確になり,動きの種類によって快・不快の印象が,また動きの回数によって緊急性の印象が異なることが確認できた。特に,徐々に大きくなる動きでは,不快が高まる傾向にあった。最後に被験者に動きの刺激と対応する情報の意味内容との対応関係についてインタビュー調査を実施し,これらの対応関係を明らかにした。