日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第63回研究発表大会
セッションID: PD-02
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見た目がやわらかさの印象に及ぼす影響
鈴木 智美上田 エジウソン寺内 文雄
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抄録

やわらかさには人を惹きつける魅力がある。ヒトは視覚情報から、色や形といった視覚的印象だけでなく、やわらかさや表面形状といった触覚的印象を感じることができる。そこで本研究では、どのような見た目がやわらかさを感じさせるのかを明らかにすることを目的とした。予備実験において被験者から得られたやわらかさを感じる形には、「丸みを帯びている」「重力を感じる」という特徴があった。そこで、それぞれの特徴を持つ白色の立体サンプルを作製し、印象評価実験を行った。その結果、丸みを帯びているほどやわらかさが感じられた。しかしながら、球体はこれに当てはまらないことが明らかになった。これは、球体を保っている状態が高い剛性を感じさせるためと考えられる。また、重力を感じる形は、潰れているほどやわらかさを感じるとは限らないことが示唆された。サンプル自体の色の影響を考え、透明・半透明のサンプルを作製し、白色サンプルと同様に実験した。その結果、やわらかさを感じる順序に大きな違いは見られなかった。しかしながら、餅やガラスといった身近なものを連想することで、同じ形であっても感じるやわらかさの種類が変化することが示唆された。

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© 2016 日本デザイン学会
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