抄録
近年、大学生が地域で活動する「域学連携」が各地で見られるようになってきた。大学生が住民と地域の課題に取り組む「域学連携」は、地域の活性化を図ると同時に、地域で活躍する人材育成に資することが期待されている。しかしながら、これらの活動の多くは、「大学側が用意したプロジェクト」となっており、学生が主体的な意思を持ち行動する十分な機会にはなり得てはいないように思われる。
一方、本稿で取り上げる「別所温泉地区古民家改修プロジェクト」は、学生自身の意思と行動による主体的なプロジェクトである。これまでのプロジェクトの経緯をまとめ、「大学側が用意したプロジェクト」との比較を念頭に置きつつ考察した結果、学生の主体的な活動としての「別所温泉地区古民家改修プロジェクト」は、学生がプロジェクト全体に関与できるという意義と、活動の目的、内容、成果において流動的になってしまうという課題があると整理することができた。