抄録
昨今、UXデザインを始め、モノやサービスを利用する一連の流れを踏まえて、ユーザーに心地よい利用体験を提供することが重要視されている。良い体験をデザインすることにおいては、ただ純粋に「楽しい」「うれしい」といったプラスの側面だけではなく、「緊張する」「つらい」といったマイナスの側面を喚起するような制約や障壁を与えて、プラスの体験をより感動的にデザインをすることも有用である。
本研究では、ユーザーにとってマイナスの側面を喚起させつつも体験全体へプラスになる体験について、デプスインタビューを通して事例調査を行った。調査で抽出された事例はKA法を用いて体験の価値構造を分析し、制約及び障壁体験が及ぼすプラスの効用としてまとめた。加えて4日間にわたる学習アプリケーションを用いた実験を通し、時間制約によるユーザーの覚醒度や評価軸の変化を分析し、先行研究と合わせて、制約及び障壁体験のデザイン要件を明らかにした。