抄録
富士ゼロックスでは、ユーザーが機器に触れることなく自分専用の画面までたどり着ける快適なユーザビリティを実現するために顔認識機能を搭載した複合機の開発を行っている。しかしながら、複合機にカメラを搭載するのは世界初の試みであり、カメラを用いた顔認識機能のデザイン及び評価の手法が当時は確立されていなかった。そこで、目標とするユーザビリティが達成できているか否かを判断する評価指標を独自に設けることを目的として本研究を行った。
研究方法は、第一に「光の向き」「光の強さ」「髪型」「メガネ」など顔認識機能の精度に影響を与える要因を仮説立てした。第二に、仮説を検証するために照明条件のパターン化と再現環境の構築、代表的なユーザーの特定を行った。第三に、この「照明条件」と「特定被験者」を二軸としたマトリクス評価を実施した。結果、どの被験者のどの照明条件に課題があるのかがひと目で分かるようになった。また、マトリクス内の〇×をポイント化することで顔認識機能の精度評価指標を「照明環境の網羅率」と定義し、これまで存在しなかったオフィス環境ならではの顔認識機能の定量的評価指標を明確にすることができた。