抄録
中国では、改革開放以降、少数民族地域の農村における観光事業が注目されるようになった。主に、政策と企業の投資による地域の経済発展を目標としていた、従来型観光地の開発であった。延辺地域では、2000年代後半から、政府と企業の投資から民俗村が形成されていて、伝統村が開発により従来型観光地に転落していた。そして、近年、村民が運営主体として民俗村の発展が注目されている。本研究では、政府と企業による民俗村と村民主体として運営している民俗村の運営実態を現地調査から考察した結果、以下のことが明らかになった。(1)村民主体としている民俗村では、村民同士の交流が頻繁に行われていて、村の共同体意識が強い、(2)地域資源を最大限に活用する、(3)自文化を再確認・継承する、(4)観光客との積極的な交流は、異文化環境における親近感を高める。