抄録
今日、日本の地方圏においては、急激な過疎・高齢化が進展しており、農業人口の減少に伴う耕作放棄地の増加が大きな社会的課題のひとつとなっている。千葉県山武市のほぼ中央部に位置するJR成東駅の北側には 50年程にも及んで放置されてきた広大な休耕地がある。筆者らは、2015(平成27)年4月より、当該地域の有志らとともにその土地を「なるきたむら」と命名し、稲作や草刈りなどを中心に行いながら、発見した資源の活用を考察し、それの実践を始めた。さらに、その実践のなかで新たな資源を発見し、資源への認識が深まり、関わる人が増えていった。人、資源を動かすことで活動の渦をつくり出していった。本研究は、それらの実践活動を記録するとともに、その過程で得られた知見に基づき、休耕地の内発的な活用のあり方を導出した。その結果、(1)地域が有する知識・技術・資源が集積する場所と位置づけ、それらが常に活用させる状況を創出する。(2)子どもの野外での遊びの場・学びの場として利活用できるよう整備を行う。(3)誰しもが散歩したくなる環境づくりを行う。(4)日本の本来の農ある暮らしが広がる場にする。