セルフメディケーションの推進が期待されているOTC医薬品について, 消費者に正しい情報を伝えるために, パッケージやインターネット販売サイトの改善に関する研究が行われている. しかし, 情報提示の改善のみで効率的に正しい情報を伝えることは難しく, より有効な情報伝達を行うためには店舗での販売も含めた消費者の医薬品購買行動全体を理解する必要がある. そこで本実験では模擬店舗を利用した医薬品の選択実験及びアンケート調査, インタビューを行い, OTC医薬品の陳列分類方法の違いが消費者の情報探索行動に与える影響を調査した.事前の店舗調査の結果に基づき, ブランド別・症状別・ランダムの陳列分類方法で選択実験を行い, 情報探索行動を比較した. アンケート調査では実験に関する質問に加え, 認知的熟慮性-衝動性尺度の測定も行った.認知的熟慮性-衝動性尺度の得点低群では情報探索行動に有意な差がみられ, 消費者の個人特性によって陳列分類方法から受ける影響が異なることが示唆された.