抄録
名古屋市立大学で実施している授業科目「デザイン人類学」では、問題発見の過程に焦点を当てて、地元の商業施設や商店街、観光地などでフィールドワークを実施してきた。そのなかで、あと何度か繰り返すことができれば、フィールドワークの手法を習得できるのでは、といった場面があった。また、フィールドワークを実施する場の環境やそこに存在する人々の様相が調査者(学生)の観察行動に大きく影響することがわかってきた。そこで本研究では、デザイン人類学で取り組んできたフィールドワークの手法を身につけるための授業プロセスを分析しながら、限られた時間の中でフィールドワーク教育を円滑に進めていくための仕組みを提示することを目的とする。